インフルエンザと発熱
インフルエンザが大流行しています。
埼玉県では11月24日から30日までの1週間で定点医療機関から報告があったインフルエンザ患者数は13,091人(定点当たり74.81人)でした。定点当たりの人数とは、1週間で1つの定点医療機関で診療したインフルエンザの患者数です。これが30人を超えているので、流行警報の状況です。
今年は例年よりも流行が早く10月中旬以降、定点当たりの患者数が急上昇して来ています。
新型コロナは、今年8月から9月には定点当たり10人を超える(注意報)時期がありましが、その後、徐々に落ち着き11月現在、395人(定点当たり2.26人)です。
今年のインフルエンザの感染力は、例年よりも強い印象です。一人感染すると家族全員に広がるケースも見受けられます。
又、現在はインフルエンザでは無い、高熱の出るインフルエンザ様感冒も見られます。
新型コロナの発現以来、微熱でも抗原検査が行われる機会が増え、37度台の方でも、インフルエンザの検査で陽性が出るケースが認められ、インフルエンザでも高熱が出ない方が一定数ある事が、推測されます。
現在、流行しているインフルエンザに免疫力のある人は、風邪症状はあるものの、微熱で治ってしまう方もいると思われます。
今一度、軽い風邪症状のある方でも、手洗い、マスク、をして周りの人にうつらない様に配慮する事が、インフルエンザ拡大を抑える為に必要だと、再認識する必要があると思います。
さて、今回は、発熱外来をしていて解熱剤の使い方を誤解されている方が多いので、解説したいと思います。
〈解熱剤を使うべき症状〉
1 . 発熱して辛い時
37度台でも頭痛や倦怠感が強く、しんどい時は解熱剤を使って下さい。
2 . 熱性痙攣を起こしやすい体質がある時
38度以上では、熱性痙攣を起こしやすくなる状態です。早めにダイアップなど予防薬も併用し、解熱剤も速やかに使用して下さい。
〈解熱剤を使わない方がいい場合〉
38度台でも、食欲もあり、他に辛い症状が無ければ、解熱剤は使わない方が良いと思います。細菌感染、ウィルス感染で発熱している場合、体内では、体温を上げる事により、免疫系細胞、主に白血球で、好中球、リンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞)、マクロファージの活性を上昇させ、臨戦態勢をとっています。従って、熱を下げる事は、ウィルス、細菌の増殖を助けている事になります。微熱が出たから、それだけの症状で解熱剤を使うのは控えましょう。
重要な事は、発熱に伴い、食事出来ない状態や、倦怠感が強く座ってられない状態、頭痛、関節痛など痛みが強い時は、解熱剤を使って下さい。無理をして解熱剤を使わずに、これらの症状を放置する事で、逆に身体を消耗してしまい、結果的に免疫力を低下させ、病状を悪化させる危険性があります。
発熱で発熱外来など病院を受診する場合、高熱の時は、事前に解熱剤を服用して熱を下げ、水分、栄養補給してから受診して下さい。
高熱の為、歩行も出来ない状態では、解熱剤を使い、水分補給、栄養補給を先ず優先して下さい。状態が落ち着いてから、インフルエンザ、新型コロナの診断の為に、次の日に発熱外来を受診しても遅くはありません。
勿論、解熱剤を使っても解熱せず、水分補給も出来なかったり、意識がもうろうとなる状態でしたら、迷わず救急車を呼んで大病院に受診する事が必要です。
解熱剤はアセトアミノフェン(カロナール)が良いと思います。空腹時でも胃に負担がかからずに、妊娠中でも安心して使えます。特にこの薬で、副反応、副作用、アレルギーが無ければ、是非、置き薬として常備しておいてください。
急に気温が下がり、空気が乾燥してくるこの時期、体温低下がきっかけとなり細菌感染、ウィルス感染を発症し易い状況です。十分な栄養補給(食事)と睡眠、運動を心がけ免疫力をアップしてお過ごしください。 |
医院長 金子 功
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